塩麹を使ったことはありますか?
私の周りには「過去に使ったことはあるけど、今は使ってないな~」という人がたくさんいました。
なぜやめたのかというと、「おいしく使いまわすコツがわからなかったから」なのだそうです。
そんな友人たちに、簡単にできる塩麹のレシピメモをプレゼントしたところ、最近じわじわと塩麹ブームが起こっています。
体に良くて、料理が簡単においしくなる万能調味料の塩麴。
今回は、食育アドバイザーみもりが、塩麹についてお話ししたいと思います。
塩麹とは
塩麹は、こうじ菌を発酵させて作る発酵食品。
調味料として料理に加えるだけで、簡単に栄養素たっぷりな発酵食品を作ることができます。
元気な体を作るには、腸内環境を整えることが大切です。
塩麹には、腸を元気にするための有用菌(体の健康を保つためによい働きをする細菌)が多く含まれています。
おいしいだけでなく、腸の中から健康をサポートしてくれるのです。
塩麹は手作りがおすすめ
塩麹を手作りすると、好みの塩を使うことができます。
私のお気に入りは「瀬戸内の花藻塩」(株式会社白松)です。
まろやかうなまみがあるので、野菜の塩もみやおにぎりなどのシンプルな料理も、
素材のおいしさが最大限に引き出せるのです。
麹は生麹や乾燥麹、作られるメーカーなどによっても風味や味が違うので、いろいろ試してお気に入りのものを見つけてみるのもいいでしょう。
私がいつも使っているのは、地元で人気の味噌屋さんの生麹です。
こちらの麹で甘酒を作ると、びっくりするくらい甘くまろやかに仕上がるんですよ~。
その味噌屋さんでは、90歳のおばあちゃんが元気に店番をしています。
ユーモアがあって楽しい方なので、麴を買いに行くたびに楽しいやり取りができて、とっても癒されます。
きっと、毎日麹を食べているからお元気なのでしょうね。
塩麹を使うメリット
腸内環境が良くなる
塩麹には腸内で善玉菌のエサになるオリゴ糖が含まれています。
また、手作りの塩麴には、生きた酵素がたっぷり!
酵素は種類によっていろんな働きがあります。
消化酵素は、デンプンを糖にし(アミラーゼという酵素)、たんぱく質をアミノ酸に(リパーゼという酵素)分解してくれる働きがあります。
麹でつくる甘酒が、砂糖も加えないのに甘くなる理由は、デンプンが糖に変わるからなんですね。
非加熱の塩麹に肉や魚を漬け込んでおくと、たんぱく質が分解されて、柔らかく消化吸収しやすい形になるのです。
そのため、胃腸への負担も軽減するので、胃腸の働きが良くなります。
味が決まりやすくなる
アミノ酸はうまみ成分。
分解されたたんぱく質はアミノ酸に変化するので、うまみが増すのです。
ですので、塩麹だけでも料理の味が決まりやすくなります。
塩麹は卵との相性が抜群!
ふわふわでうまみたっぷりの卵料理ができるんですよ~♪
疲労回復しやすくなる
塩麹に含まれるビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変える働きがあります。
神経機能を正常に保つ効果もあるので、イライラした気持ちを抑えてくれる効果も期待できます。
免疫力がアップ
免疫細胞の70%が腸内に存在するのだそうです。
腸内環境が整うと免疫力が上がるので、風邪やウイルスの予防などが期待できます。
美肌・美髪効果
コウジ酸はメラニンの生成を抑えてくれるので、美白効果が期待できます。
塩麹に含まれるビタミンB2やビタミンB6には、細胞の再生を促す効果もあるので、健康な肌や髪の毛などを作る働きがあります。
ちなみに塩麹は、口内炎の予防にも効果的なんですよ。
私は口内炎ができそうになると、少量の塩麹を水に溶いてうがいするのが習慣になっています。
酵素は生きたまま摂ったほうがいいのか
酵素を生きたまま食べることについての効果・効能などは諸説あります。
酵素は70℃以上に加熱すると活動しなくなってしまいますが、大切なのは酵素そのものではなく酵素の力で生み出されたたくさんの栄養素です。
発酵食品の持つ力だけに頼るのではなく、バランスのいい食生活の習慣を心がけましょう。
肉や魚、野菜や果物などを、発酵食品と一緒にバランスよく食べることが、一番大切なのです。
塩麹の作り方
塩麹は家庭で簡単に手作りすることができます。
今回は、炊飯器で作る方法と、室温で作る方法をお伝えしますね。
炊飯器で作る方法
1.板状の生麹(200g)を手でバラバラにほぐし、内釜に入れる。塩(60g)を加え混ぜる。
2.60℃のお湯(200cc)を①の麹に注ぐ。温度が上がりすぎないように、ふたは開けたままにして、濡れ布巾をかける。(約60℃をキープする)
3.「保温」のスイッチを入れて、15時間ほど置く。途中1~2回かき混ぜると、むらなく発酵する。
メリット・・・早くできる
デメリット・・・室温で作ったものに比べると、うまみが少ない
室温に放置して作る方法
1.板状の生麹(200g)を手でバラバラにほぐし、ボウルに入れる。塩(60g)を加え混ぜる。
2.水(200cc)を①の麹に注ぐ。ゴムベラかスプーンでよく混ぜる。
3.全体が良く混ざったら清潔な保存容器(容量800㎖くらいのもの)に入れ、軽くふたをする(密封しないようにする)。
4.夏は1週間、冬は10日~2週間室温に置く。発酵させている間は、1日1回混ぜる。気温が高くても冷蔵庫には入れない。
5.見た目はおかゆのようになり、口に含むと糀の粒に芯がなく、味がまろやかになっていたら完成。
メリット・・・うまみが強い
デメリット・・・手間と時間がかかる
塩麹の保存方法
塩麹は、完成したら冷蔵庫で半年くらい保存できます。
金属製の容器に入れておくと錆びてしまうので、ホーロー、プラスティック、ガラス製のものに入れて保存してください。
出来上がった塩麹をミキサーでペースト状にしておくと、料理になじませやすくなって使いやすくなりますよ。
かんたんおいしい塩麹レシピ
塩麹は、どんな食材にもなじむ便利な調味料です。
レシピ以外にも、自由にいろんな料理に使ってみてください。
かぶの塩麹漬け
- かぶ(300g)は皮をむいて一口大に切ってボウルに入れる。
- ①に塩(6g)を加え、しばらく置く。
- 水分が上がってきたら、塩麹(15g)を加え混ぜる。
塩麹ピラフ
- 米(2合)は洗って20分おく。
- 炊飯器に水気を切った①、塩麹(大さじ2)、コンソメ(小さじ1)、人参(1/3本:みじん切り)、玉ねぎ(1/2個:みじん切り)、マッシュルーム(5個:スライス)、ツナ缶(小1缶)、水(320㎖)を入れる。
- 炊飯する。
ゆで卵の塩麹漬け
- 卵(M4個)を好みのかたさにゆでて皮をむく。
- ジッパー付きポリ袋に①を入れ、塩麹(50g)を加え、密封する。
- 冷蔵庫に入れ、1~2日置く。
おわりに
塩麹は、使い方がよくわからないまま適当に使っていると、イマイチその魅力が伝わりにくいものでもあります。
実は私も、市販の塩麹を使っていたときは、うまく使いこなせずに使うのをやめてしまったことがありました。
味噌屋さんのおいしい生麹と出会い、手作りの塩麴を作るようになった今では、私の人生に欠かせない大切な調味料です。
塩麹は加えるだけでうまみも栄養価もアップし、食べ物を消化吸収しやすい形にしてくれます。
工夫次第で、どんな料理にもなじませることができてしまう、万能調味料です。
冷蔵庫に使いこなせなかった塩麹が残っていたら、とりあえずゆで卵を漬けてみてください。
究極簡単で、おいし~いゆで卵になりますよ♪