マインドフルネスは、ストレス解消や心の健康をサポートする方法として注目されていますが、その効果の裏には脳の神経系にも興味深い影響があります。
マインドフルネスの実践には、科学的に確認された脳への効果があります。
脳に直接働きかけることで、心の安定やストレス軽減、自己認識の向上などの効果をもたらします。
本記事では、マインドフルネスが脳にどのような働きをもたらすのかをわかりやすく解説します。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスは、集中するための行動( 瞑想や呼吸法など )のなかで、現在の瞬間に意識を向け、心を静めるための取り組みです。
「 瞑想 」がマインドフルネスではありません。
一生懸命がんばって、上手に「 瞑想 」をやっていれば、自然と心がラクになる。
これがマインドフルネス!( × )
瞑想などの行動に「 集中 」することで、
意識を今取り組んでいることを向けること( ←これがマインドフルネス )
このポイントをしっかりおさえることが大事です!
過去や未来の心配から解放され、ただ「 今この瞬間 」に集中することで、心と体のリラックスを促進します。
脳とマインドフルネスの関係
マインドフルネスの実践によって、脳の神経系にはいくつかの興味深い影響があります。
前頭前野の活性化
前頭葉は脳の最前部に位置し、大脳皮質の前部に広がる大きな領域です。
前頭葉は脳の認知機能や感情制御、行動の調整など、高次の脳機能を担う重要な役割を果たしています。
マインドフルネスによって、前頭葉が活性化します。
前頭葉は判断力や意思決定に関与しており、マインドフルネスの実践によってこれらの認知機能が向上します。
扁桃体の抑制
扁桃体は、脳の内側にあるアーモンド形の神経構造です。
感情や記憶、ストレス反応などに関与し、特に恐怖や脅威に対する反応の制御に重要な役割を果たしています。
また、感情と身体の反応を連動させる働きも持っています。
ストレスや恐怖と関連する脳の領域である扁桃体は、マインドフルネスによって抑制されます。
これにより、ストレス反応が軽減し、リラックスした状態が促進されます。
海馬の機能向上
海馬は学習と記憶、空間認識、感情制御に関与する脳の部位。
新しい情報の記憶や空間的ナビゲーション( 空間的な環境を理解し、目的地に向かって進む能力 )など、重要な認知機能を担っています。
海馬は感情の制御に影響を与えます。
マインドフルネスは海馬の機能を向上させる効果があるといわれています。
マインドフルネスへの取り組みによって、感情の制御、学習や記憶、空間認識などの認知機能が改善されるとされています。
デフォルトモードネットワークの変化
DMN(デフォルトモードネットワーク)は、脳の特定の領域を結びつけるネットワークのことです。
このネットワークは、脳が休息状態にあるときや、自己に関する内省や過去や未来の考えに集中しているときに活発に働きます。
- 内省と自己認識
- 創造性と洞察力
- 社会的関係の形成
- クリエイティビティの向上
- 自己統合と安定感
- 自己中心的な思考
- 過去のトラウマの再燃
- 未来への不安
- 集中力の低下
脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)の働きには、いい面もたくさんあります。
ですがデメリットも多く、それが心の健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。
マインドフルネスの実践によって、DMNの活性を抑制することができます。
DMNは心の内省や過去や未来の考えに関連しているため、過剰に働いているときは、現在に集中できていない状態になります。
「 心ここにあらず 」という状態です。
そこで、マインドフルネスを実践することで、DMNの働きが穏やかになり、心が現在に集中することが強化されます。
まとめ
マインドフルネスは脳の神経系にも重要な影響をもたらします。
前頭葉の活性化や扁桃体の抑制、海馬の機能向上などが、マインドフルネスの効果の一部です。
脳の働きを調整することで、ストレスの軽減や心の安定をサポートし、心と体のバランスを整える力があることがわかります。
マインドフルネスの実践を通じて、より健康的で充実した日々を過ごしましょう。